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defaultdictの使い方を詳しく解説!

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Pythonのdefaultdictを使用してキーの存在を処理する

Pythonの辞書を扱う際によくある問題の一つは、存在しないキーにアクセスしたり変更しようとした場合にKeyErrorが発生し、コードの実行が中断されることです。このような状況を処理するために、標準ライブラリであるcollectionsモジュール内にはPythonのdefaultdict型が用意されています。

Pythonのdefaultdict型は、ほとんど通常の辞書と同じように振る舞いますが、存在しないキーにアクセスや変更を試みると、defaultdictは自動的にそのキーを作成し、デフォルト値を生成します。これにより、defaultdictは辞書内の存在しないキーの処理に有用です。

このチュートリアルでは、以下の内容を学びます:

  • 辞書内の存在しないキーの処理にPythonのdefaultdict型を使用する方法
  • 通常の辞書(dict)ではなくPythonのdefaultdictを使う理由とタイミング
  • defaultdiectを使用してグループ化、カウント、蓄積の操作を行う方法

これらの知識を手に入れることで、日常のプログラミングの課題でPythonのdefaultdict型を効果的に活用することができるようになります。

このチュートリアルを最大限に活用するためには、Pythonの辞書についての基本的な理解があることが望ましいです。もし復習が必要な場合は、以下のリソースを参照してください:

  • Python辞書(チュートリアル)
  • Python辞書(コース)
  • Pythonで辞書をイテレートする方法

辞書内の存在しないキーの処理

Pythonの辞書を扱う際の一般的な問題は、「存在しないキーの処理方法」です。もしコードが辞書に基づいていて、または頻繁に辞書を作成する場合、頻繁に発生するKeyError例外に対処する必要があります。Pythonの辞書では、少なくとも4つの方法があります:

  • dict.get()メソッドを使用してキーの存在をチェックする
  • dict.setdefault()メソッドを使用してデフォルト値を指定する
  • dict.pop()メソッドを使用してキーと値を同時に取得する(辞書内から削除されます)
  • 独自の例外処理を使用して、KeyErrorをキャッチして対応する

これらの方法は有効ですが、Pythonのdefaultdict型を使用すると、より簡潔なコードを書くことができます。

Pythonのdefaultdict型の理解

Pythonのdefaultdictは、collectionsモジュール内に定義されています。通常の辞書とは異なり、defaultdictを使用すると、存在しないキーにアクセスした場合にKeyErrorが発生せず、自動的にキーとデフォルト値を生成します。defaultdict型は次のように定義されています:

from collections import defaultdict
d = defaultdict(default_factory)

default_factoryは引数として渡された関数や値を生成するための関数です。通常、defaultdictを作成するためにはdefault_factoryを指定する必要があります。

Pythonのdefaultdict型の使用方法

Pythonのdefaultdict型を使用すると、辞書内の存在しないキーに対して自動的にデフォルト値を返すことができます。以下では、defaultdict型のいくつかの使用例を紹介します。

アイテムのグループ化

defaultdictを使用してアイテムをグループ化するには、次のようにdefaultdictを作成し、アイテムを辞書に追加します。

from collections import defaultdict
fruits = [('apple', 2), ('banana', 3), ('apple', 5), ('banana', 1)]
fruit_dict = defaultdict(list)
for fruit, count in fruits:
fruit_dict[fruit].append(count)
print(fruit_dict)

出力:

defaultdict(<class 'list'>, {'apple': [2, 5], 'banana': [3, 1]})

defaultdictを使用すると、グループ化したアイテムをリストとして扱うことができます。

ユニークなアイテムのグループ化

defaultdictを使用してユニークなアイテムのグループ化を行うには、次のようにdefaultdictを作成し、集合(set)を辞書の値として使用します。

from collections import defaultdict
fruits = [('apple', 2), ('banana', 3), ('apple', 5), ('banana', 1)]
fruit_dict = defaultdict(set)
for fruit, count in fruits:
fruit_dict[fruit].add(count)
print(fruit_dict)

出力:

defaultdict(<class 'set'>, {'apple': {2, 5}, 'banana': {1, 3}})

defaultdictを使用することで、重複したアイテムを自動的に削除することができます。

アイテムのカウント

defaultdictを使用してアイテムのカウントを行うには、次のようにdefaultdictを作成し、カウンター(Counter)を辞書の値として使用します。

from collections import defaultdict, Counter
fruits = ['apple', 'banana', 'apple', 'banana', 'orange']
fruit_count = defaultdict(Counter)
for fruit in fruits:
fruit_count[fruit][fruit] += 1
print(fruit_count)

出力:

defaultdict(<class 'collections.Counter'>, {'apple': Counter({'apple': 2}), 'banana': Counter({'banana': 2}), 'orange': Counter({'orange': 1})})

defaultdictを使用することで、アイテムのカウントを簡単に行うことができます。

値の蓄積

defaultdictを使用して値の蓄積を行うには、次のようにdefaultdictを作成し、値を単純に足し合わせます。

from collections import defaultdict
fruits = [('apple', 2), ('banana', 3), ('apple', 5), ('banana', 1)]
fruit_total = defaultdict(int)
for fruit, count in fruits:
fruit_total[fruit] += count
print(fruit_total)

出力:

defaultdict(<class 'int'>, {'apple': 7, 'banana': 4})

defaultdictを使用することで、値の蓄積を簡単に実現できます。

defaultdictとdictの比較

defaultdictと通常のdictの違いは、存在しないキーにアクセスした場合の挙動です。通常のdictでは存在しないキーにアクセスするとKeyErrorが発生しますが、defaultdictではデフォルト値が自動的に生成されます。

from collections import defaultdict
# defaultdictの場合
fruit_dict = defaultdict(int)
print(fruit_dict['apple'])
# 通常のdictの場合
fruit_dict2 = {}
print(fruit_dict2['apple'])

出力:

0
KeyError: 'apple'

このように、defaultdictを使用すると、キーの存在を事前にチェックする必要がなくなります。

defaultdict.default_factory

defaultdictを作成するときにdefault_factoryを指定すると、値の生成に関するカスタマイズを行うことができます。default_factoryには関数や値を指定することができます。例えば、リストをデフォルト値として持つdefaultdictを作成する場合は、次のようにdefault_factoryにlistを指定します。

from collections import defaultdict
fruit_dict = defaultdict(list)

また、default_factoryにintを指定すると、デフォルト値として0が生成されます。

from collections import defaultdict
fruit_dict = defaultdict(int)

default_factoryを使用することで、デフォルト値の生成方法を自由に設定することができます。

lambdaを使用した.default_factory

default_factoryにlambda関数を使用することで、デフォルト値を動的に生成することもできます。以下は、default_factoryにlambda関数を使用して、デフォルト値をランダムな数値とする例です。

from collections import defaultdict
from random import randint
fruit_dict = defaultdict(lambda: randint(1, 10))

ここでは、1から10までのランダムな数値がデフォルト値として生成されます。

functools.partial()を使用した.default_factory

また、default_factoryにfunctools.partial()を使用することで、引数付きの関数をデフォルト値の生成に使用することもできます。以下は、default_factoryにfunctools.partial()を使用して、デフォルト値が引数として指定した値を返す例です。

from collections import defaultdict
from functools import partial
def get_default_value(default):
return default
fruit_dict = defaultdict(partial(get_default_value, 'Unknown'))

default_factoryにpartial(get_default_value, ‘Unknown’)を指定することで、デフォルト値として’Unknown’が返されます。

結論

Pythonのdefaultdict型は、キーの存在を処理する際に非常に便利なツールです。辞書内の存在しないキーにアクセスしようとしてもKeyErrorが発生せず、自動的にデフォルト値が生成されます。これにより、コードの複雑さを低減し、効率的で安全なプログラミングを実現することができます。

このチュートリアルでは、Pythonのdefaultdict型の基本的な使用方法を学びました。アイテムのグループ化やカウントなど、さまざまな操作でdefaultdictを活用することができることを確認しました。また、defaultdictと通常のdictの違いや、default_factoryの設定方法についても学びました。

Pythonのプログラミングにおいて、defaultdictをうまく活用することで効率的でスマートなコードを実現できるようになります。ぜひこの知識をバッグにして、Pythonの開発に活かしてください。